南ア白峰南嶺 笹山(2733m) 2011年10月1日

所要時間
 5:03 駐車場−−5:12白河内(渡渉)−−5:15導水管入口−−6:11 1344m標高点−−6:44 1603m肩−−6:59 1760m肩−−7:18 1932m肩−−7:50 2220mガレ−−7:52 2330m肩(休憩) 8:23−−9:16 笹山南峰(2717.6m)−−9:22 笹山北峰(2733m 休憩) 11:37−−11:42 笹山南峰(2717.6m) 11:49−−12:22 2330m肩−−12:30 2256m肩−−12:47 1963m肩−−12:58 1760m肩−−13:08 1603m肩−−13:18 1420m峰−−13:26 1344m標高点−−13:45 導水管最上部−−13:54 白河内右岸−−13:58 白河内を渡渉 14:08−−14:16 吊橋−−14:20 駐車場

概要
 笹山東尾根より往復。予想外に明瞭な道が存在し現状でエアリアマップ赤破線クラス(最新のエアリアマップは実際に赤破線らしい)。意外に利用者がおり、ルート上は籔皆無なことから数年後には実線クラスの道に格上げされると思われる。健脚なら日帰り可能であり森林限界を超えて展望良好なことから今後人気が出るかもしれない。標高1603m肩に水場標識あり(往復35分とのこと)。

ルート図。クリックで等倍表示

 笹山東尾根に初めて注目したのは数年前に櫛形山や丸山の西側にある高山に登った時で、笹山から奈良田に適度な傾斜の太い尾根が落ちているのが目に付いて、いつか歩いてみようと考えていた。もちろん、道が無いので涼しい時期限定となるが、この時期は未踏の籔山を優先してしまうため後回しになったままだった。そのうちに早川町の依頼で韮崎の白鳳会がある程度ルート整備(調査?)を行い、いつのまにかネットで検索するとたくさんの笹山東尾根の登山記録が出てくるようになっていた。いまさらそんなところに行くのもなんではあるが、今後はもっと明瞭な登山道になるのは必至と思われ、早めに出かけることにした。

 この先の最大の目的地は北鎌独標であるが、天気予報では弱い冬型の気圧配置になりそうで新潟は雨の予報。槍はもっと西側、南側にあるのでまだいいかもしれないが、標高が高い分下界より悪いかもしれない。元々の週末の予報は土日とも雨や曇りだったが前日になって土曜は好天になり、1日だけしか使えないなら笹山東尾根でいいだろうと決定。ただし、夜10時から朝6時まで昨年崩壊した法面工事のため県道が通行止めとなるため、10時前に西山温泉に突入する必要があり、できるだけ早く東京を出られるよう準備した。

吊橋前の駐車場 駐車場から見た笹山東尾根末端

 いつもより早く甲府南ICを降りて何度も走った道で国道52号線に突入、県道南アルプス線に入ると奈良田より先のマイカー規制の看板は出ているが時間通行止めの看板が無く、電光掲示板に「夜間通行止め」と出ているだけだった。こちらは前もって情報収集済みなので心配せずに進む。雨畑への分岐を過ぎると各所に大水の跡が見られるようになり、斜面の小さな沢からも土砂が押し出した形跡があちこちに見られた。保地区に入ると路肩が水流に削られて片側交互通行になっていたり、斜面が地滑りで広い範囲で県道にはみ出していてダートの迂回路が作られた個所があったりで、先週の3連休は確かにここは通れる状況では無かったことが分かる。西山温泉手前の工事個所を通過すればあとは問題なしで、森山に登ったときに使った吊橋横の駐車場に到着。時間が早いので車は無いと思ったらテントの先客がおり、静かに寝るために少し戻ってプレハブの工事小屋前に車を置いた。

吊橋。笹山の案内あり 対岸に渡り超短いトンネル?を潜る
登りは導水管を、下りは巡視路を利用 白河内の車道は崩壊、最後は強引に渡渉

 翌朝、まだ暗い時刻に出発。まだ東尾根は正式登山道ではないだろうから暗い時刻から歩いている登山者はいないだろう。テントの主は出発準備中であった。車は1,2台増えたようだが山登りなのか釣りなのかは不明だ。吊橋を渡って下流方向に車道を歩くと予想外の展開が。本来はそのまま車道が続いて橋で白河内を渡ってトンネルを抜けるとダム堰堤に出るのだが、先日の台風で白河内が大増水したようで車道はぷっつりと切れて広い河原に変わっていた。流れの音は聞こえるがまだ水は見えず水量が把握できない。この様子では橋もろとも車道が流されたのは確実だろう。河原を進むと対岸を目前にしたところで流れが登場、これがまた微妙な水量と幅で、飛ぼうとしても届かないだろうし、適当な飛び石が見られない。重機が渡った跡はあるが水深は一番深い所で脛程度か。まさか渡渉が必要とは予想だにしていなかったが、この程度なら鋸岳と同じくロングスパッツで足元を固めて突っ走ればOKと判断、ロングスパッツを装着して流れが浅そうな場所を選んで走り抜けた。目論見通り靴内部に水が進入することはなかったが、流れの強さがそこそこあって水がロングスパッツの高さを越えてしまいズボンが濡れた。まあ、これは歩いていれば乾くだろうからさほど気にならない。渡渉直前に対岸にはライトを持った男性がいたのだが釣り人だろうか、そして対岸にいるということはダムの堰堤を渡ってきたのだろうか。私が渡渉を終えた時には姿が見えなくなっていた。

 なお、ダム堰堤を渡ってトンネルを抜けてくれば渡渉は不要であるが、堰堤入口には立入禁止の看板があるため気が引ける。

発電所裏から導水管脇の階段にとりつく 導水管上部

 渡ってしまえば尾根に取り付ける場所を見つけて適当に登ればいい。しかし車道付近はどこもコンクリートの法面で登れず、尾根に沿って西側に進みながら這い上がれる場所を探すしかない。しかしいきなり発電所の敷地で、これまた法面が続いてさらに奥に行く。突き当りが法面で終わっていたら大外れであるが、幸いにも建物の裏には導水管があってその巡視用階段が設置されていた。今年の大型連休に登った利根水源山脈の銅倉尾根と同じである。最初からかなりの傾斜で汗をかかされるが効率よく高度を稼ぐ。階段を登っているうちに徐々に周囲が明るくなってきた。やっと導水管最上段付近まで来て後ろを振り返ると単独男性がすぐ後ろを歩いていた。いったいいつ後ろに付かれたんだ?? 全く気付かなかった。

 最後に梯子を登って最上段部に到着、さすがに汗をかかされてここで長ズボンと長袖シャツを脱いで半ズボンにTシャツ姿に変身。着替え中に男性が上がってきて少し話をしてから出発、最初だけ私が先行して左側から尾根に取り付いて進み、ロングスパッツを外している間に男性が先行して尾根を登っていく。少し尾根を登ったところで明瞭な道が右側(北)から合流、どうも導水管ルートは正式ルートではなかったらしい。正しい道がどこを通っているのかは帰りに確認しよう。どちらにせよ尾根を外さなければいいわけだ。

照葉樹の多い尾根に乗る。藪皆無 道に合流。えらく古そうでも明瞭

 道は思ったよりも明瞭で、最近開かれた感じではなく昔からある作業道といった雰囲気だった。北側斜面は植林帯が続いていることもそう感じさせる要素だった。南斜面は自然林で南アルプスの標高が低い尾根らしく落葉樹の中に照葉樹がけっこう混じっていた。地面付近は全く下草は無くどこでも歩ける状態で、踏跡が薄い所では慣れない人ではどこを歩けばいいのか判断に迷いそうな場所もあり、先行する男性が僅かにルートを外して逡巡している間に私が先頭に立った。以降、しばし私がトップで進む。この男性とはほぼ終始同じペースで、しかも私同様に休憩なしで2時間以上歩き続けても息を乱さなかったため、歩きながらいろいろと話をできた。まあ、どちらかといえば私が話している時間がほとんどだったと思うが。おかげで登りでは写真撮影をすっかり忘れてしまい、各ポイントの通過時刻が不明だった(相手の男性も同じ状況だったけど)。

1344m標高点。下山時直進しないようロープあり 1344m標高点の標識

 1344m標高点で右から太い尾根が合流し、そちらに乗る。登りでは自然に乗るからいいが下りだと直進すると正しい尾根から外れてしまうので地形図を見たときに要注意ポイントだと考えていたが、現場には案内標識が設置され、誤った尾根に入り込まないようロープまで張ってあった。笹山東尾根は予想以上に手が入れられているようだ。

あまりに明瞭な道 尾根が広がると道が薄くなるが藪皆無

 1420m峰へは尾根の南側直下にその昔に刈り払ったような空間が延び、明らかに道を作ったような雰囲気で緩やかに登っていく。こんな道が上まで続くようなら完全にエアリアマップの赤実線クラスだ。この辺は照葉樹が濃い。1420m峰も南を巻いてしまう。1603m肩までは尾根が広がってルートはジグザグを切るようになる。相変わらずコナラ、ミズナラを中心とした落葉樹林でブナも混じるようになる。下草皆無でこのような尾根が広い場所だとルートが分散するのか薄いが、何せ籔が無いのでマクロな視点で尾根を外しさえしなければ全く問題なしだ。登りは踏跡を気にすることなく気楽に登って構わない。

1603m肩の水場標識 水場方向の斜面

 1603m肩に到着すると意外な標識がお出迎え。なんと水場があるそうで南に400mほどトラバース気味に下ったところで、往復20分と書かれているがマジックで35分と追記されていた。ということはちゃんと水場があるのは間違いないだろう。ただ、一般的に水量が減少する秋でも出ているかは分からない。また、もうちょっと上の方に水場があった方が助かるかな。往復35分くらいかけていいなら他でも水が得られる場所がありそうだが、誰か開拓してくれるかも?

1603m肩から登る 1760m肩付近
1932m肩付近 2000mを越えると少し道が薄くなる

 この尾根はいくつかの肩により階段状になっており、1603mの次は1760m、1932m、2100m、2256m、2320m、2560mと続き、それなりの目印になるし休憩場所としてもちょうどいいだろう。1760m肩付近で北斜面の唐松植林が終了し、一面の自然林となる。この標高になると照葉樹は姿を消して落葉樹にシラビソが混じるようになり、徐々に山深さを感じるようになる。まだブナが勢いを吹き返す場面もあるが、1932m以上はほぼシラビソ純林に変わる。

2256m直上のガレ 実際は2256mよりも少し高い場所にある
2320m肩。広い平坦地で幕営適地

 既に出発から標高差1100mを登り、休みなしで2時間を歩いているが同行した男性は相変わらず同じペースで付いてくる。この人、かなりの健脚だな。私の今日の体調は非常によく、ペースを落とせば山頂まで無休憩で行けそうだが、周囲は雲の層に突入したようで薄いガスが漂い、稜線上が晴れているのかは不明である。もし稜線も雲の中だとしても天気予報では時間経過とともに回復傾向だったので晴れる確率が高いと判断、急いで山頂を目指すよりのんびり登った方がてっぺんで晴れの領域に飛び出す確率が高まるだろうと、途中で休憩を入れることにした。常識的には男性もどこかで休むだろうが、どこまで付いてくるかな? 差が付き始めたのは1950mから先の急な登りで、さほどの距離ではないが徐々に離れていった。そして男性は2256m肩のすぐ上のガレで先に休憩に入ったのだった。こちらはそのまま通過し、2320mの広い肩で休憩した。地形図を見て分かるようにここは東尾根で一番広く傾斜が無い平坦地で幕営適地だと思っていたがその通りで、シラビソ樹林の中に地面が出た平坦地が数か所あり、たき火の跡もあって実際に幕営地として利用されているようだ。ただし、水場が無いのが難点だ。地形図を見た感じでは北斜面側に下ればどこかで沢の源頭がありそうな気がするが誰か確認してくれないかなぁ。ここで水があればまさにベストな幕営地だろう。

 なお、2256m肩は尾根の屈曲点で、登りでは無意識のうちに尾根に引き込まれるのでいいが、下りでは右に意識的に曲がる必要があり、踏跡はちゃんと曲がっているが周囲は籔が無いので何も考えないで下っていくと直進してしまう可能性がある。ここもロープを張った方がいい場所だ。僭越ではあるが赤テープを木に巻いて下りの時に見えるよう右下に矢印を書いておいた。2256m肩の僅か上の北斜面はガレて木も生えていないので北側の展望が良い。ここに登りついた時はちょうど雲の切れ間に入ったようで頭上には青空が広がり雲海の層を突き抜けて晴れのエリアに入ったのだと思ったがぬか喜びで、再びガスの中に入ってしまった。

2320m肩を出発。人物は同行した男性 2重山稜中間谷のヌタ場

 休憩しながら男性が上がってくるのを待っていたら、しばらくしてから登場。すぐ下のガレで休憩していたとのこと。少し話をしてから私も立ち上がって出発。この付近は2重山稜となっており、ルートは北側の尾根上に付いていた。真ん中の谷には水たまりがあり鹿のヌタ場になっていた。水平の2重山稜が終わって登りにかかるとルートは尾根直上ではなく北側を巻き気味に登っていく。たぶん尾根上は倒木かシラビソ幼木がはびこっているのだろう。周囲は深いシラビソ樹林で相変わらず下草皆無でどこでも歩ける状態で、部分的には人によって歩くルートが分散するような個所もあるようでルートが薄い場所もあった。登りは問題ないが下りでは下りすぎてしまうとルートを見失う可能性も。まあ、籔に慣れていれば外すことは無いレベルではあるが。

矮小化したシラビソ帯を登る。かえって道がはっきりしている 石楠花も見られるようになる
2560m峰 2560m峰から見た上河内岳

 再び尾根に乗って割と傾斜が急な尾根を登っていく。少し矮小化したシラビソが多く何となく標高が上がった雰囲気がある。しかしこの付近の森林限界は約2650mなのでまだまだ遠い。矮小化したシラビソ樹林は密度が上がって籔のような個所もあり、かえってルートが明瞭化している。2560m峰もそんな矮小シラビソ帯で、ここだけ少し展望が開けて明るい青空と笹山南峰、そして上河内岳と思われる山並みとその手前には千枚岳と思われるギザギザの稜線が。残念ながらまだ悪沢岳山頂は見えない。

シラビソの高さが低くなってきた 立ったハイマツが登場

 なおも高度を上げると明らかにシラビソの高さが低くなってきて森林限界が近づいてきているのが分かった。道はますます明瞭で迷う心配はもう無い。普通、森林限界付近はダケカンバが優勢になるのだが、ここはダケカンバが混じってはいるが終始シラビソが中心であった。笹山山頂直下になってようやく立ったハイマツが登場、でもまたシラビソの木が消えない。

山頂直下はハイマツの海の切り開き 切り開きが無ければハイマツの激藪
南峰にある笹山東尾根入口の標識 笹山南峰山頂(山梨百名山の標識あり)

 そしてほぼ傾斜が無くなって立ったハイマツの海の中に切り開かれた道を通過すると、突然ハイマツが消えて開けた場所に飛び出した。ここが笹山南峰だ。前回登った時にも山梨百名山の標柱があったような。間もなく後続の男性も到着、しかしここは最高峰ではないし、この標高にして頭上が開けた山頂の周囲は背の高い木に覆われて展望が無いことから、最高点の北峰に向かうことにした。私の記憶ではあちらは森林限界を超えて大展望があったような。

笹山北峰向けて出発 低いシラビソ樹林
突如として森林限界を突破 北峰直下のテント場

 石楠花とシラビソが茂る主稜線上には縦走路が延びているのだが、前回私が歩いた時は残雪期だったので道の濃さが分からなかったが、こうやって歩いてみると笹山東尾根と濃さはさほど変わらなかった。逆の言い方をすれば笹山東尾根の道の濃さは既にそのレベルに達しているということだろう。これはエアリアマップの赤破線のレベルであろう(実際、最新のエアリアマップでは赤破線で表示されたらしい)。尾根が広く、道は直上ではなくやや西側を巻いていて屈曲ポイントがあって分かりにくかったりするが、森林限界ぎりぎりで道を外せば籔に突っ込むので外してもそのことにすぐ気付くはずだ。

笹山北峰山頂(最高峰。東海パルプの標識あり) 笹山北峰から見た南峰
笹山北峰から見た西半分の展望(クリックで拡大)
笹山北峰から見た中央アルプス(クリックで拡大)
笹山北峰から見た塩見岳
笹山北峰から見た荒川岳(クリックで拡大)

 シラビソ樹林を進んで僅かに登ると森林限界を突破、その境界線があまりにもスパっと分けられており、立ったハイマツを経由せずに寝たハイマツに変わって一気に視界が開ける。僅か下はシラビソ樹林である。北峰の標高が2733mなので森林限界は2720mくらいではなかろうか。山頂周辺はハイマツも消えて岩稜帯となり、最高部には東海パルプの標柱が立っていた。これは10年前には無かったものだ。南峰と違って北峰は邪魔するもの皆無で360度の大展望。荒川三山、蝙蝠岳、塩見岳、仙塩尾根、そして白河内岳と並んでいる。甲府盆地側は背の高い雲海でここより南の南嶺は雲海の下。北側もガスが上がってきてたま〜に北岳が見えるだけで大唐松山や大籠岳は見えなかった。おっと、槍穂や乗鞍岳、中アも見ることができた。

 今日の予定はあとは下山だけ、早く下ってもやることがないのでしばし山頂で休憩。快晴で直射日光が暖かいが少し風があって防寒着を着ていないと寒いくらいだ。登りでは半ズボンにTシャツだったが、山頂に到着してズボンを履き、長袖シャツにフリース、ダウンジャケットを着て毛糸の帽子を被って首にマフラーを巻いて完璧。男性はそこまで防寒装備は持ってこなかったようで、寒いからと最後に写真撮影してから先に下っていった。まあ、愛知まで戻るのを考えるとあまりのんびりはできないだろう。こちらは2時間以上のんびりしてしまった。もしかしたら雲海が晴れるかと思ったが、残念ながら到着時と同じような状況が続いた。いや、時間経過とともに少し稜線に雲がかかり始めたかな。

北峰に向かう4人パーティー 笹山三角点

 いい時刻になって下山開始。笹山南峰で三角点を探していると東尾根から後続部隊が登場。男女4人だったか? 女性の背負っている荷物はかなり軽装で私の半分もないようなナップザックで心配になるほどだが男性陣が共同装備担当だろうか。朝の様子からすると出発時刻は周囲が明るくなった直後と思われ、私より30分遅れくらいと思われた。とすると程々の所要時間だろう。南峰の樹林に取り囲まれた様子を見て「展望台があるはずだ」と話していたので、展望台ではないが5分くらい進んだ北峰が森林限界を超えて展望がいいのでそこまで進んでみたら?と勧めると、全員がそちらを目指していった。こちらは三角点探査を行い、転付峠方向に僅かに進んだ登山道脇で無事発見。やはり黒くて目立たない存在だった。

檜+αの巨木 巨木の根元に祠あり

 さあ、あとは下山。帰りは一人なので登りであまり撮影しなかった写真をパチパチ撮りつつ歩いた。少しルートが分かりにくい場所には赤テープを付けておく。テープ1巻きを使ったので2,30個所くらいの追加だろうか。これが剥がれ落ちる頃には道が明瞭化して目印など不要になっているだろう。もう導水管が近づいたところで檜の巨木と壊れかけた祠が登場。やはり昔から道があったということか。

 導水管上部に到着し、登りでは気付かなかった正しい?登山道の続きを追ってみることにした。

導水管最上部 北側に道が続く
こんな案内標識あり 手摺まで取り付けられた立派な巡視路
林道に出た 林道から巡視路を見る。登山口の標識あり

 登山道は施設の左側(北側)を通り、導水管から離れて北斜面を大きくジグザグを切って下っていく。ここも巡視路らしく鉄管の手摺まで整備されていた。途中に分岐があるが「笹山」の案内標識が付いていて登りで迷わないようになっていた。下り切ると白河内の右岸に設置された林道末端に出て「笹山登山口」の標識があった。なんだ、発電所じゃなくて川沿いに上れば良かったのか。

林道が消えうせた末端(写真では遠近感が・・・) 河原から林道崩壊地点を見る

 林道を歩くとすぐに白河内に出たが、ここで林道はすっぱりと切れて無くなっていた。大水で林道が崩壊してしまったようだ。たぶん発電所入口から川沿いに林道が延びていたはずだが今は跡形もない。これでは事前に情報収集していないと暗闇の中では発見は不可能だ。そのうちに林道が復旧されるだろうか。

林道崩壊地から下流側を見る 帰りはこの石を利用して渡渉した
登りで使った導水管 最後に吊橋

 さて、帰路の白河内渡渉だが、林道崩壊地からすぐ近く(トンネルよりも200m程度上流)にちょうどいい飛び石が配置された個所があり、そこだったら石を跨いで対岸に渡ることができた。でも水量がちょっとでも増えればこの石も水没か。渡り終わってから濡れタオルで体を拭いてさっぱりしてから車に戻った。

 

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